たまには歩くのもいいものだ

昨日、帰り道の途中で行きつけの床屋に寄った。
床屋から駅まで歩く距離を考えると、自宅の最寄り駅まで一駅だけ電車に乗るのもナニだなぁ、と思い、久々に自宅まで歩いて帰る気になったのだが、帰り道の途中にある寺の、入り口のあたりに出店が出ていたので、何気なく入ってみた。溝の口界隈には八年ほど住んでいるが、お寺の敷地に入ったことは多分初めてだ。
門から境内までの細い道は、昔ながらの出店がたくさん並んでいて、親子連れで溢れんばかりの人出だった。境内には山車を二回りほど小さくしたようなものがいくつか並んでいる。まもなく門の方から、さらにもう一台、山車のようなものが入ってきた。前後には何人もの行列が出来ていて、太鼓を鳴らしながら境内に入ってきた。
こんな調子で何台も続いて入ってきたので、何事だろうと思って、近くにいた初老の男性に聞いてみた。これは「お会式(おえしき)」という、日蓮宗のお寺の行事なのだそうだ。何台もの山車は、この界隈で付き合いのある、十数軒もの日蓮宗のお寺から来ているそうで、よく見るとみんなお寺の名前が書いてある。以前はこの倍くらい来ていたらしいが、最近は駐車場の確保が難しくて、お付き合いできるお寺も減ったのだとか。
小腹が空いたので鯛焼きを食べながら、しばらく辺りを眺めていた。ちょうど鯛焼き屋の前で、輪投げをやっていた。景品の並べ方や、使っている輪など、昔と全然変わらない。変わったところといえば、景品の中にプレステ 2 やゲームキューブなどが並んでいたことくらいか。


これまで地元のお祭りなんて全然興味がなかったが、見知らぬ子供たちが楽しそうにしているのを見るだけでも、何だか平和な気分になる。カメラを持ってきたら結構面白い写真が撮れそうだ、なんて考えたりもした。無名な小さな祭も捨てたものではない。


たまには歩いてみるのもいいものだ、と思った。