イラク国民投票

イラクで新憲法制定に関する国民投票が終わったらしい。
きっと大変な苦労だったのだろうと思う。


そう思った理由は治安上の問題からではない。字が読めない人が多いからだ。
1999 年のユニセフの統計によると、イラクの成人全体の識字率は 58% だ。
http://www.unicef.or.jp/siryo/data.htm
字が読めないということは、投票用紙が読めないし、自分の意思を自力で記入できないかも知れない。投票所ではそういう方々に対するサポートが大変だったのではないかと思う。
また、いつ、どこに行けば投票できるのかを知らせるのも大変だろう。日本だったら選挙公報を印刷して配れば済むが、識字率の低い地域では、誰かが宣伝してまわらなければならないだろう。
そもそも新憲法の内容をどうやって理解したのだろうか。誰かが説明するか、読んで聞かせたのだろうか。
テレビで見る現地の映像から想像すると、田舎の方ではテレビも電力も普及してなさそうだ。ラジオくらいは使えるのだろうか?新政府としては出来るだけ投票率を上げたいだろうから、広報活動に相当努力をされたのではないかと思う。日本にいると、誰でも字が読めるという前提で物事が運ぶから、そういう苦労ははるかに少ない。識字率の低い国の苦労は計り知れない。


しかし報道によると、投票率が 63% だったという。この数字が高いのかどうかは分からないが、字が読めない人もかなり投票したことになる。この選挙をきっかけに、イラクがいい方向に向かうことを願う。