『おカネの神様に学ぶ個人投資家のすすめ』(三原淳雄・木村剛/筑摩書房)

(2003 年中に読了したときのメモ)

自分自身が株式投資を始めるにあたって、最も大きな契機になった本。

バフェットやリンチの言葉をそこまで大量に引用しなくても、自分自身の言葉で語ってくれれば良かったのに、とも思えるが、全体的に分かりやすく書かれていて、短期間で読むことができた。

自分自身、株式市場に対する見方がかなり変わったと思う。自分がこれまで読んできた、株式関係の文章とは、違う視点(視野)で書かれているような気がする。個人的に印象に残っている考え方は次の通り。

  • 日本の株式市場や、それを取り巻く環境は、資本主義社会のそれとは言えない。健全な資本主義社会にしていくには、個人投資家が増えて、株式市場が本来の機能を果たすようになる必要がある。
  • 日経平均が下がると世間が一斉に悲観的になるが、株価が未来永劫下がり続けることは有り得ないのだから、株価が全体的に下がるということは、長い目で見れば投資のチャンスだ。
  • 損をしない株式投資はありえない。ただし株式投資の損失は有限である。多少損しても、他の株でそれ以上に儲ければ良い。

木村剛氏のまえがきのタイトル「株価と決別しよう」は非常に印象的。書かれている内容も、重要なメッセージを含んでいる。

ただし自分が株式投資を始めたのは、資本主義社会のためではなく、あくまで自分のため。